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飴色トライアングル【完結】
第6章 私の想いは─封印しなきゃ。
「凄く好きだった人に裏切られたから英昭さんは本気の恋をするのが怖いのかもね」
「……」
それを聞いて何も言えなくなった!
それは…私の事─だよね?
ずっと引きずってたの?
今更ヒデの気持ちを確認することは出来ないけど…
「由美はそれでいいの?」
「仕方ないよ…でもね、最近は凄く私の事大事にしてくれてるし、ちょっと希望持ってるんだ、頑張って元カノを忘れさせよ─」
─そう言って由美は笑った!
私は何て言ってあげたらいいの?
由美も辛い恋をしてたなんて…
それなら─
応援しなきゃいけないね!
「そっか、由美なら…きっと大丈夫だよ」
「お姉ちゃん応援してくれるの?」
「もちろん!頑張ってね」
「うん、頑張る─そんなわけでね、英昭さんとは一緒には住めないの」
「──ねぇお姉ちゃん今まで通りここで一緒に暮らそうよ!家賃は私も払うしお姉ちゃんの負担が少なくなるように食事の支度も手伝うから、ね?お願い」
ここは会社からも近いし気に入ってるんだって!
そこまで言われたら
もう何も言えないよ!
「分かった!」
「やった!お姉ちゃんありがと…」ギュッ!
由美は嬉しそうに私に抱き付いてきた。
そんなに嬉しいの?
「じゃあ、明日は私が夕食作るから」
「え、ホントに?作れるの?」
「う~ん!頑張る」
クスッ…「じゃお願い」
久しぶりに由美のハシャグ顔を見た。
私も、少しは大人になったかな!
昨日たくさん泣いたから今日は不思議なくらいに落ち着いてる。
うん!私は大丈夫
私の中の想いは─これからはすべて
封印しよう。──そう思った。