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飴色トライアングル【完結】
第7章 私…届かない声で助けを求めてたの!
行きたかった屋台を満喫した帰り
マンションの近くまで大智さんが送ってくれた。
「ありがとうございます、もうここで…」
「美緒ちゃん今日はありがとう」
「いえ、こちらこそご馳走さまでした」
「また…誘ってもいいかな?あ、友達としてだよ」
クスッ…いいですよ!
大智さんってホントいい人。
ずっと私と一定の距離を保って…しかもちゃんと私のペースに合わせて歩いてくれた。
もし、この時とばかりに私に触れてくるようなら考えるけど─そんな事全然ないし
気づかってくれるのが嬉しかった。
「じゃね」
「はいさようなら、気をつけて…」
「ありがとう!じゃおやすみ」
大智さんを見送ってマンション内へ─
マンションのエントランスに入って─
エレベーターのボタンを押そうとした時だった!
ん?……
奥に人の気配がして何となくそちらに目を向けた…
──ぇ?─
ドキッ
何でここに?
そこには壁に凭れてスマホを弄るヒデがいた!
私の気配に気づいたのか
ゆっくり顔を上げるヒデと眼が合った。
家に来てたんだ!
良かった!早く帰って来なくて
2人の邪魔するとこだった。
すると
ヒデが無言のままこちらに歩いてくる!
な、に?
私の目の前に来て…
「この前一緒にいたのは彼氏だったんだ」
「…ぇ…」
大智さんが送ってくれたのを見てたの?
なんでそんな事を…
私の事なんて興味ないくせに
そう思っても、誤解されるのは嫌
ちゃんと言っておきたいから
「違う…あの人は友達だから」
「フッ、そっか──ま~関係ないから、どっちでもいいけど」
ズキッ
「……そう、だよね」