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飴色トライアングル【完結】
第7章 私…届かない声で助けを求めてたの!
どっちでもいいなら聞かなければいいのに!
私に嫌味を言うために待ってたの?
由美の前では昔の話は出来ないから…
それなら
聞いてもいい?
「まだ、恨んでるの?私の事」
「……いや、もう終わったことだから」
そうだけど
「でも、俺はちゃんと理由を言って欲しかった」
ヒデが私の答えを欲しがってる。
そうだよね!
あんなふうに終わったんじゃ納得出来るわけがない!
でも、あの時─私が本当の事を言ったとしても
ヒデには重荷になったよ、たぶん
「ごめんなさい」
「もう時効さ、だけど…今なら言えるでしょ?」
え?…
「俺から離れようとした理由を」
それは─
ハァハァ
その時の記憶がフラッシュバックのように
蘇ってくる!
──
古びたアパート
(ヤダ、ヤメテ)
冷たい布団に押し倒されて
男達が笑いながら被さってくる!
(クスッ…ヤベッ─サイコー)
(タスケテ…オネガイ)
生温い舌が身体中を這って
ハァハァ
叫びたいのに口を塞がれて…声も出せない…
でも、私…ヒデの名前をずっと呼んでたの。
届かない声で
ずっと助けを求めてたの!
ブンブン─ポロポロ
「やだ……グスッ、ハァハァ」
「美緒…?」
息が苦しい…ハァハァ、助けて、息が、出来ない
グスッ
─助けて!
ハァハァ、ハァハァ
「美緒、どした?美緒、美緒」
ブンブン─グスッグスッ
「ヤメテ、お願い─」
「美緒、しっかりしろ美緒」
涙が溢れて止まらない。
あの時の記憶が頭の中で再生されていく─
──//
ヒデが慌ててる。
私を抱えて必死に叫んでいるのがわかった!