この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
飴色トライアングル【完結】
第1章 なんで今頃私の前に現れるの?
〝お連れ様もうお待ちですよ〟
〝そうですが、ありがとうございます〟
ん?来たかな?
ガラッ──あ、やっと来た!
「お姉ちゃんお待たせ」
「遅いよ…由美…!?…ん?…」
妹の後ろに人影が見えた。
あれ?
誰かと一緒に来たのかな?
ん?
グッ…ぇ?……うそ
「………」
な、んで?
思わず息を飲んだ!
ドクン…ドキッ、ドキッ
急に胸の鼓動が激しくなって心臓が跳ね上がる…
─どういうこと?──
由美と一緒に入って来た人物…それは
好きで好きで堪らなかった──元彼だった。
「……ヒデ…」
なんで─ここにヒデがいるの?
ドクン、ドクン
7年ぶりの再会。
大人になったヒデは
やっぱりカッコよくてあの頃のまま…
懐かしさと同時に
薄れていた記憶が蘇って涙が溢れそうになった!
さっき駅で見掛けたのは
やっぱりヒデだったんだ!
何て声を掛ければいい?
私の事、覚えてるよね…
「あ、あの…」
「お姉ちゃん、ちょっとお姉ちゃんったら」
え?
妹の声にハッとした!
今ここには由美もいる。
ヒデと由美の関係もわからないのに
迂闊に声を掛けてはいけない…そう思った!
「あっ、な…に?」
「大丈夫?、そんなに驚いた?─ごめんね、ビックリさせて、紹介するね」
紹介──
由美は振り返り可愛い笑顔でヒデに手を伸ばした。
すると─
彼もそれに答えるように由美の手を握り返す…
!?…
笑い合う2人はまるで恋人同士…
まさか…
「……」
「お姉ちゃん、私ね、今この人とお付き合いしてるの、会社の先輩で進藤英昭さんって言うのよ」