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飴色トライアングル【完結】
第7章 私…届かない声で助けを求めてたの!
◆◆
美緒を抱き抱えたまま何とか部屋のインターホンを押した!

ピッ
「はい」
「由美、俺…開けて」

「え?英昭さん?─待って」


ガチャ
「え、お姉ちゃん?どうしたの?」


玄関を開けさせ、驚く由美に眼もくれず
美緒を部屋に連れて行った。

意識のない美緒をそっとベッドに寝かせて顔を覗き込むと…
さっきのパニックが嘘みたいだ!
今はスヤスヤと寝息を立てている。

何だか夢を見ている様な不思議な感覚!


美緒…何があった?…


俺が昔の事を聞いたから?

そうだ…
あの時、美緒の様子が明らかに可笑しくなった。

何かを思い出すように一点を見つめて…そのあとパニックになったように呼吸が荒くなりだした。


「何があったんだよ…ミオ」

無意識に手を延ばして美緒に触れようとした。

「英、昭さん?」ハッ!え?…あ!

名前を呼ばれてハッとした。
振り返ると…美緒の隣に佇む俺を、由美がじっと見つめていた。

「どういう事?…お姉ちゃんに何があったの?」

「……」
美緒を運ぶのに夢中で考えてる余裕がなかった。


帰ったはずの俺がただならぬ様子で戻って来たんだ、由美が驚くのも無理はない

しかも意識のない美緒を抱えてたんだから…


「友達から電話が来てマンションの下で話してたんだ、暫くすると美緒ちゃんが帰って来て…そこでちょっと話をしたんだけど─」

急に過呼吸みたいに様子が可笑しくなって…


グスッ…
「「ん!?」」

由美と話していると
美緒の苦しそうな声がした─


〝─ン、ンン…ヤダ、ヤメテ─〟

〝ヤダ、オネガイ─ヤメテ…タスケテ──ヒデ〟

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