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飴色トライアングル【完結】
第8章 俺─ずっと後悔してたんだ
ぼんやり考えながら歩いていると、いつの間にか
あれ?
いつもと違う道
何やってんの!
間違えちゃった、戻らなきゃ
そう思ったけど─
どうしよう
会社を出た頃は小降りだった雨も次第に強くなってきた。
途中で傘を買えばよかった。
今更後悔しても始まらないけど
駅に行くには
多分、あそこを曲がれば近いはず
行ったことはないけど
駅の方向を何となく目指して行くことにした。
一応、携帯のナビも使って
うん、大丈夫…こっちから行ける!
人通りは少ないけど方向は合ってる
これ以上濡れたらシャレにならない
急がなきゃ!
早足で駅を目指していると─
足が止まった!
なぜなら─
前から傘を差した3人の男性が歩いて来たから。
この雰囲気─
あの時と似てる!
昔の記憶が蘇ってきた。
ハァハァ─
人通りの少ない路地から3人の男が現れて
口を塞がれアパートに連れ込まれたあの日を
心臓がバクバクして
痛いくらいに跳ね上がる。
戻らなきゃ!
そう思うのに足が震えて動けなくなった!
落ち着こう、大丈夫
雨はいっそう強くなり
私の身体に容赦なく降り注いだ。
お願い…来ないで。グスッ…
男達がどんどん近づいてきて
立ち尽くす私を見ながら何やらヒソヒソ話し始めた!
ブンブン
嫌だ、来ないで!
「─どうしたの?傘、持ってないの?」
ブンブン…
いいから、ほっといて!
早く行ってよ。
じゃないと…
雨が身体を濡らしブラウスが張り付く。
今、きっと下着の色までハッキリと見えていると思う
その人達が私を舐めるように見ていて…
怖くなった!