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飴色トライアングル【完結】
第8章 俺─ずっと後悔してたんだ
男達が私に傘を差し出し顔を覗き込んできた!
「…具合悪いの?」ブンブン
ハァハァ、ハァハァ
なんでもないから、見ないで
お願い…どこかへ行って!
「寒いでしょ?送ろうか?」
ブンブン「─」
男達は顔を見合せ合図を送っているように思えた。
〝おい、どうする?〟
グスッ…グスッグスッ
早くこの場から逃げたいのに足が震える。
男の1人が薄笑いで私に近づいてくる!
「……」
イヤ─
「…みおっ!」─!?
その時
どこからか─大声で私の名前を呼ぶ声が聞こえた…
グスッ、え…─
振り向こうとすると
後ろから身体を引き寄せられた。
キャッ…、ん…誰?
──!?
顔を上げるとそこにはヒデがいて─
崩れ落ちそうな私を支えてくれていた。
なんでここにヒデが?
ヒデ─グスッ、グスグス
突然現れたヒデを前に3人の男達は憮然とした表情を見せる。
「チッ!」
暫くヒデと睨み合った後、何事もなかったかのように立ち去って行った─
ハァハァ
不安と緊張が解れ身体の力が抜けて立っていられなくなった。
その場にしゃがみ込むとポロポロ涙が溢れてくる。
「ヒック、ヒック─ヒデ」
「…怖かったな、大丈夫か?─」
「ヒデ…グスッ…」
「コクン、立てるか?行くよ」
ヒデに抱えられ震える足で必死に歩いた。
タクシー?
ヒデはタクシーを止め運転手の男性と話をしている!
きっとマンションの場所を説明してるんだと思う
ここからは1人で帰れって事だね。
うん、もう私は大丈夫!
これ以上迷惑を掛けるわけにはいかないから…
そう自分に言い聞かせた!