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飴色トライアングル【完結】
第8章 俺─ずっと後悔してたんだ
「お願いだから…離して」
逃れようとするのに
ヒデはますます力を入れて私を抱きしめる。
「美緒、聞いてほしい」
「俺─ずっと後悔してたんだ」
…ぇ…
「あの日─なんで俺は、もっと美緒の話を聞いてやらなかったんだろう…なんであそこで諦めちゃったんだろって…」
思いがけない告白に胸が締め付けられる。
なんで今になってそんな事を言うの─
「俺、意地になって…美緒が謝ってくるまで連絡しないって決めて待ってたんだ─でも、いくら待っても連絡はないし─」
「ホントに美緒は俺と別れたかったんだなって、そう思うと悔しくて腹が立った」
───でも…気付いたんだ。
このままじゃ、俺が納得出来ないって!──
だからもう一度美緒と話をしようって─
でも遅かった!
「…!?」
「そう思った時には携帯も繋がらないし!─人から美緒は東京の大学に行ったって聞いて…あぁホントに終わったんだなって、凄い寂しくて…」
「俺が、あの時─美緒の異変に気付いてたら…」
!?─え。
「美緒、気づいてやれなくてごめん」
な、に?─何言ってるの?
「誰かに…酷いことされたんだろ?…」
なん、で?─
言葉が出なかった!
ヒデが知ってるはずないもん
でも、私の異変に気づいてる!
グスッ……ウッ、ウッ
「美緒、ごめんな…辛かったな、ごめんホントごめん」
ヒデの言葉に堪えていた涙が一気に溢れ出す!
うっ!
くうっ ううっ うっうっ ひっくひっく
わぁぁぁ うわぁー
溢れる涙はもう止まらなくて…
私はその場に泣き崩れた。
「美緒、美緒…ごめん、ごめん」
うわぁぁぁ─ わぁぁぁぁ