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飴色トライアングル【完結】
第8章 俺─ずっと後悔してたんだ
そんなこと、誰にも言えなくて…
ヒデには尚更
絶対言えないと思った。
別れたくは無かったけどヒデの顔を見ると
辛くて苦しくて─
どうしたらいいのか分からなくて!
ごめんなさい
ヒデの事─いっぱい傷つけちゃった。
「ごめん俺が…美緒を1人で帰したから」
ブンブン、違う!
ヒデのせいじゃない─
私があんなとこを通ったからいけないの。
辛い出来事だったけど
今、こうやってヒデの腕の中にいられて、話を聞いてもらったから…少しは報われたような気がする。
「美緒…!」
顔を上げると…
ヒデが悲しそうな顔で私を見ていた。
そんな顔しないで。
もう終わった事だから
ヒデのそんな顔を見たら…辛くなる!
無意識に手を伸ばしヒデの頬に触れていた!
「私は……大丈夫」
「美緒…」
ヒデのその顔─付き合ってた頃と変わらないね
優しい顔してる。
私…ヒデの事大好きだったよ。
ヒデは自分に触れる私の手を取って握り返してきた。
顔のすぐ横で私の手に唇を押し付ける。
「…ンッ…ヒ、デ?」
「俺、やっぱり美緒の事が「ダメ、言わないで」
その先を聞いたら
私…きっと我慢出来なくなる!
辛いけど、もうヒデを解放してあげなきゃ。
握られた手を引いて離れようとした…
それを─
ヒデは腰を引き寄せ手を強く握ってくる。
「ヒデ─離して、もう帰らないと」
逸らしたを視線を合わせようとヒデが私の顔を覗き込む。
「──好きだ」
「…!?」
何で言うの。
ダメって言ったのに─
「俺、美緒が好きだよ、ずっと言えなかったけど…やっぱり好きなんだ」
ンッ─グスン、バカ、ヒデのバカ!