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飴色トライアングル【完結】
第8章 俺─ずっと後悔してたんだ
一度吐き出した感情はもう止められなくて…
どうしてもヒデに想いをぶつけてしまう。
「考えないようにしても、ゥェッ─目の前に、現れる、ウッ、から」
「全然、忘れられないょ」
ギュッ!
「うん、ごめん」
ヒックヒック、ヒック―ヒデ、ヒ、デ
泣き続ける私を─
ヒデはただ強く抱きしめてくれる。
「…ごめんな、でも美緒の気持ち聞けて良かった」
ヒデは子供をあやすように頭を撫で
私が落ち着くまで背中をさすってくれた。
それが凄く心地よくて安心する。
このまま時が止まってくれたら─
どんなにいいか!
「美緒──大丈夫か?」
ヒック……コクン!
ごめんなさい─
もう、離れなきゃ!
すると─
「違う、美緒…」な、に?
顔を上げるとヒデが私の頬を包み込んできた。
涙を拭って─顔を覗き込む。
「ダメ、見ないでっ」
泣きすぎてお化粧だってぐちゃぐちゃ、きっと眼も腫れてる…こんな近くで見られたら恥ずかしいよ。
顔を逸らそうとするのに
「美緒は泣いても可愛いよ、昔から変わらない」
グスッ
「嘘─」
「ほんとだよ」
ヒデに見つめられて
魔法に掛けられたみたいに動けなくなった。
「ヒ、デ?」
「…ミオ……」
ヒデの顔が私に迫ってくる。
そして……
ヒデの唇が私の唇に重なった。
チュッ!ンンッ─んっ─
こんなこと…
ダメだって頭では分かってるのに─
ヒデを押し返そうとする手に力なんて入らなくて
「んっ、美緒─」んっ、はぁ
ミオ…
優しい眼差しで見つめられ何度も私の名前を呼ぶから一瞬で学生時代にタイムスリップしたような感覚に陥る。