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飴色トライアングル【完結】
第8章 俺─ずっと後悔してたんだ
ヒデがしぶしぶ携帯に手を伸ばした。
通話ボタンを押そうとすると…長いこと鳴り続けた携帯が鳴り止んだ!
「「……//」」
お互い言葉もなく重苦しい雰囲気。
「─ごめんなさい、私、どうかしてた─さっきの事は忘れて!…お互い無かったことにしようね」
「なんで?─そんな事出来るかよ!」
ヒデの口調が強くなった。
だって─
こんなのやっぱりダメだよ。
分かってた事なのに受け入た自分に腹が立つ。
「私、もう帰らなきゃ」
「美緒待って!」
立ち上がろうとする私をヒデが抱きしめてくる。
ヒデ、離して!
ギュッ─
こんなの間違ってる。
何とか逃れようと力を入れるとヒデが呟くように囁いた。
「美緒…俺達、やり直せないかな」
!?…
今、何て言ったの?
「もう1度やり直したいんだ」
ヒデからの思いがけない言葉。
「……!?」
凄く嬉しいよ─
だけど……
グスッ─ヒデ
そんなこと出来ないよ
由美がいるんだもん
もう…遅いよ!
「美緒…俺、由美に話そうと思う」
「!?そんなのダメだよ、やめて!」
そんな事したらどうなると思うの。
私達、姉妹なんだよ?
何も知らない妹にそんな話をするなんて
「美緒聞いて…もう自分を誤魔化すのは止めよう」
「やっと思いが通じ合ったんだ──俺、自分に正直になりたいんだよ」
ヒ、デ…
そんなの、本気で言ってるの?
私だって……出来ることなら一緒にいたい
けど!
由美の哀しそうな顔が頭に浮かんでくる。
やっぱりダメだよ!
そんなの─
人として許される事じゃないから
「ヒデ、ごめんなさい」