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飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
懐かしい写真に眼が離せなくなった。
この頃が私にとって1番楽しかった時だった…
学生時代の事が次々に頭に浮かんで友達と撮ったスナップ写真に…思わず笑みがこぼれる。
全然連絡も取ってないけどみんな元気かな?
むき出しの写真を1枚ずつめくっていると
あ!─
高校のバスケ部のみんなで撮った集合写真
それと…
ヒデと撮った2ショット。
写真を見た途端…胸がドキンと跳ね上がった!
これは…
試合の後に撮ったんだっけ?
ユニフォーム姿のヒデ。
顔を寄せ合ってポーズなんて取ってる…
この時はまだ部長とマネージャーの関係で、ファンクラブの人に隠れて撮ってもらったんだった。
ヒデはやっぱりカッコいいね。
ファンクラブが出来るのが頷ける。
懐かしいユニフォーム姿にやっぱり切なくなる!
この写真を撮った後は、憧れの英昭先輩と付き合う事になるなんて思いもしなかったけど。
胸に熱いものが込み上げ涙が溢れそう!
グスッ…
考えないようにしてるのに─
ヒデの腕の温もり
唇の感触が昨日の事のように蘇る。
グスッ…アハハ、もう─すぐ泣くんだから。
泣き虫だな私
ダメダメ。美緒しっかりしろ。
ヒデの写真は由美に見つかる前に処分しなきゃ。
携帯に保存してる写真やメールも…
いつまでも持ってるからいけないんだよ。
写真を握りしめ溢れる涙を指で拭っていると…
コンコン
「お姉ちゃん、開けるよ」
ガチャ─
「え、あ、由美、ちょっと」バサッ──あっ!
由美がいきなり入って来るから…
持ってた写真が手から滑って散らばった。
「クスッ…何やってるの、お姉ちゃん」