この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
どうしたって言うの、急に─
──あ!まさか
由美の態度に─嫌な予感がした。
さっき
一緒に部屋から出たと思ったのに由美は遅れてキッチンにやって来た。
それまで普通だったのに急に喋らなくなったし─
もしかして私が部屋を出たあと…部屋にいたの?
写真は拾って段ボールに入れたから、開けなきゃ見られる事もないと思うけど─
わざわざ開けて見ないよね?
やだ、そんなことなするわけないよ。
そう思うのに
由美の態度が急に変わるって─
やっぱりおかしい!
拾い忘れた写真があったかな?
あれば気になって見ちゃうよね。
それがもし、ヒデの写真だったら
どうしよう!
由美の顔色を伺いながら部屋が気になって仕方がない。
「お姉ちゃん、もう、食べる?」
「え!う、うん食べるよ。─あ、やっぱり後で…!まだお腹空いてないから」
とにかく部屋に戻らなきゃ
確認しないと落ち着いて食事なんて出来ないよ。
──//
バタン
部屋に戻ると部屋中を見回した
あるかな?
やっぱり落ちてない。
ベッドの下も見たけど─うん大丈夫。
ふぅ~良かった。
由美に後ろめたくてきっと考え過ぎたんだ。
もう一度段ボールを開けて投げ入れた写真をかき集めた。
どうしよう、この写真!
捨てた方がいいのは分かってるけど
でも、みんなで撮った思い出の写真もあって
捨てるのも気が引ける!
もうちょっとだけ
いいよね持ってても
ちゃんと気持ちに整理がついたら絶対捨てるから
それまでは由美に見られないようにしなきゃ
そう思って写真を元に戻し…段ボールの奥に押し込んだ。