この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
◇◆◇
「進藤、部長が今日中に報告書出せってさ」
「─え?あ~わかってる」
パソコンの前に座って数時間
今までなら簡単に終わらせてたのに…
ダメだ。
集中力が無くてなかなか進まない!
あれからずっと
あの日の事が頭から離れなくて─
気づくと美緒の事を考える時間が多くなっていた。
「おい、進藤!…早く終わらせて飯行こうぜ」
「あ~」
はぁ~!
何をやってんだよ俺は…
早く終わらせなきゃいけないのに、集中しろよ。
そう思うのに─
美緒の告白と、これからの事
考える事が多過ぎて頭が追い付かない!
なんて…言い訳だけど!
ひとつため息をつくとまた…美緒の顔が頭に浮かんでどうしようもなくなる。
なんであの時気づいてやれなかったんだろう
冷静に考えればわかるだろ!
美緒が急にあんな態度を取るわけがないのに
気づいてやれなかった悔しさと後悔の気持ちが日に日に大きくなっている。
別れの日…
ハッキリ理由を言わない事に無性に腹が立った。
泣いてる美緒にイライラをぶつけたばかりか、怒りを抑えるのに必死で振り向きもしなかった自分に腹が立つ。
まさかそんな事があったなんて
どんなに怖くて辛かったか
7年だぞ!
誰にも言えずにひとりで抱えて…
美緒の気持ちを想うとやりきれない。
昔のような笑顔を見せなかったのはそのせいだったんだ。
これから俺はどうすればいい?
もう何もかも手遅れなんだろうか…
確かに由美を傷つけるのは辛い。
由美と別れたところで美緒とやり直せるのかもわからないけど
このままじゃ─
「─さんっ─!?、英昭さんったら」