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飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
え?…あ、
振り向くとそこには由美がいて
不思議そうな顔で俺を見下ろしていた!
「英昭さんまでボーっとして…どうしたの?」
いや、何でもない!
ん?今、英昭さん・ま・で・って言った?
…どういう事?
「お姉ちゃんみたい」
美緒?…
ただ名前が出ただけなのに
心がざわついた。
「美緒、ちゃん─何か、あったの?」
「さ~会社で何かあったのかも」
会社で?…
俺の前では強がってたけど─
やっぱりだ!
食欲もなくて眠れてないらしい!
無理して笑う美緒が頭に浮かんだ─
美緒の様子をこの眼で確認したい。
でもどうすれば…
すると─
「英昭さん…今日、家に来ない?」
なんと由美が食事に誘ってくれた!
「外食ばかりじゃ栄養が偏っちゃうでしょ?それと…話しもあるし」
「話って?」ウフッ、後でね!
飛びつきたくなるほどの気持ちを抑えつつ冷静に返事を返した。
「そう?じゃ行かせてもらおうかな」
あっ!そうだ
「じゃ美緒ちゃんも一緒に─」
「ぇ?!」
美緒の名前を出した途端
由美が一瞬怪訝そうな顔をしたように見えた。
美緒の様子を確かめるいい機会だと思ったけど
怪しく思ったか?
「…でもお姉ちゃん、たぶん帰り遅いから食べないと思うよ」
……そうか!
それじゃ─会えないかな
「いいじゃない2人でも」
「え、あ~いいよ、もちろん…」
気にさわったか
由美の笑顔がなくなった。
「久しぶりだな由美の手料理、楽しみにしてるよ」
「…え、う、うん!じゃ待ってるね」ニコッ
なんとか誤魔化せたかな
最後には笑顔を見せてくれてホッとした。