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飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
◇◇◇
ピンポ~ン

ガチャ
「お帰りなさい♪どうぞ?」
「──お邪魔します」

美緒はやっぱり帰ってないか?

部屋の様子が気になって
出迎えてくれた由美の肩越しに奥を覗き込んだ。

「お姉ちゃんはいないよ」え!
心を見透かすような由美の言葉にドキッとした。

何とかこの場を取り繕ろうと必死に言葉を探した。

「あ、そうだ、これ…デザート買ってきたから」
「え、嬉しい、じゃ後で食べようね」

「もうご飯食べるでしょ?…お姉ちゃんいつ帰ってくるか分からないから」

連絡はしたらしいけど返事はないらしい。


〝早く帰って来て〟
由美がそんなメールをすれば不審に思ったのかも

「美緒ちゃんって…いつもそんなに遅いの?─」
「うん、酔っぱらって帰って来るときもあるし」

もしかして美緒はやけになってるのかも
ますます心配になる!
俺が来てるのを知ったら美緒はどんな顔をするだろうか?


ガチャ

!?─玄関を開ける音。
美緒が帰って来た。

「お姉ちゃんお帰り」
「…ぇ、!?…た、ただいま」

俺に気づいて美緒が固まった。

やっぱり!
疲れた顔してる。

「あ、美緒ちゃん、お邪魔してます」

出来るだけ明るく声を掛けるけど美緒は戸惑ってるようだった─

「…い、らっしゃい」

「お姉ちゃんご飯出来てるから一緒に「由美!」

美緒が由美の話を遮ってきた。

「ごめん、もう食べてきちゃったから…」
「そうなの?…」

やっぱり俺がいるからそう言ったんじゃないかと思った?

「ごめんね…もっと早く言ってくれたらよかったのに─今日は2人で食べて」

美緒は早くここから離れたいようだった!

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