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飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
*:・'°☆
…2人でよく行ったよな?…
心の中で美緒に話し掛けた。
いつも俺の分まで欲しがって!
(おいし、ヒデは食べないの?)
クスッ…美緒が旨そうに食べるのが可愛くて、見とれてただけなんだけど─
(ねぇいらないの?)
俺のを狙ってるな。
素直に食べたいって言えばいいのに…
(食べるか?)
(いいの?♪じゃ、もらう♪ウフフ)
──//
「英昭さん…英昭さんったら…」へ?
「またボーッとして、知ってる?chouchou(シュシュ)」
由美が俺を不思議そうに眺めていた。
あ、ごめん。
「ぁ、あ~chouchouね、知ってるよ学生の頃よく行ったから」
「そうなの~?、じゃもしかして私達会ったことあるかもね」
─そうだな!
〝世間は狭いね!〟
由美は呟きながらデザートのケーキを頬張ってる!
「英昭さんは誰とchouchou(シュシュ)に行ったの?」
え!
「もしかして彼女とか?ウフフ」
「「……」」
由美の何気ない質問に美緒が固まった。
俺に視線を向けてくる!
何て答えるのか気になるんだろう。
まさか美緒と…なんて言えないけど。
ケーキ屋は男1人じゃ行かないし
少しくらい話してもいいよな。
「当時の彼女が好きで、よく連れてかれたんだよ」
名前は言えないけど─
美緒は視線を逸らし俯いてる。
「やっぱり?じゃその彼女とも私、会ったことあるかもしれないね、どんな彼女だったの?」
「……」
それは─
「由美、やめなさいよ!─そんな事聞いて後でヤキモチ妬くくせに」
更に聞きたがる由美に美緒が声を荒げた。
「だって~気になるじゃない」