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満員電車
第6章 解放
殆どぼーっと過ごす週末だった

ピピピピピピピピ…

いつもの携帯のアラーム音で、カナは目覚めた…

まだ何となく体調は優れないまま、月曜日の朝を迎えた


体は辛いが、課長に逢いたい一心で支度をした


いつもの軽い朝食を済ませながら、頭は課長の事でいっぱいだった…


「行ってきまーす!」

カナは家を出た


……
そして、いつもの電車
いつもの車両
いつものポジションに立ち、いつもの満員電車に耐えていた


○○駅~

…あっ、雅治さんが乗ってくる駅だ


カナの鼓動は高鳴った


また満員状態に人がどっと押し寄せてくる

カナは苦痛で顔が歪んだ

…雅治さん、居ないかな…どこかなぁ?…


カナが課長を待っていると


…えっ!?

カナのお尻を撫でられた

…雅治さんなの??


鮨詰め状態で振り返る事も出来ない

…撫で…撫で…撫で…

その手は、カナのお尻を円を描くように撫で回した


…えっ!?えっ!?雅治さんなの??それとも痴漢??


カナの頭はパニックだった


その時…

「すみません!すみません!!ちょっとすみません!!」

奥の方から人をかき分けて課長がカナの元へやってきた

「おはよう!カナさん!」
課長はうっすら汗をかきながら、爽やかな笑顔を見せてくれた

「…ぉっ、おはようございます…」

カナのお尻を触る男が、課長ではなく痴漢だと分かり、更に動揺していた

「土曜日の会議でさぁ~、大変な事があったんだよ!カナさん聞いてくれる?」

課長はこの間の出来事はまるで無かったかのように話し出す…

…撫で撫で……

課長との会話中も、痴漢は手を休めない

…雅治さん、痴漢です!私のお尻触られてます!!

カナは必死な表情で、課長に目で訴えた

しかし、様子がおかしいカナをよそに、課長は会話を止めない


…スルスルっ……



痴漢の手が、カナのスカートの中へ入ってきた…



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