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一秒に見えた世界
第18章 このくらい…いいだろ?
とりあえず一番観光ではメジャーなマーライオン公園のマーライオンを私は見せてもらった。通りすがりの人に写真を頼んで私は初めて優誠と2人で写って写真を撮って貰った。

『わーい。』

私はデジカメに収まった初めての優誠とのツーショット写真に浮かれてしまう。優誠が私の耳元で

『その写真を見て1人でエッチな事するなよ。』

とか言い出した。

ギャー!?こんなところで、そういう事は言わないでー!

私は叫びそうになった。

マーライオンを見たらお待ちかねのお買い物。あちこちのショッピングモールを優誠と見て回った。地元の市場のようなところは安いけれどボッタクリがあるから気を付けないとダメらしい。

お昼を食べたらお金持ちが集まるというエリアでのブランドショッピングだ。キラキラとしていてありとあらゆるブランド店が立ち並ぶエリアで私はワクワクとして興奮をした。

日本の港街でもブランドショップはあるのだけれど海外でのお買い物となるとやっぱり気分が違う感じがしちゃう。しかも日本よりも安いからお得な気分になって来るからますます私は張り切った。

まずは私の好きなブランドのお店を見つけた。

やーん…、やっぱり日本より安い。何を買おうか迷っちゃう。

ふとアクセサリーのケースで私の目が止まった。私は普段からあまり貴金属は付けない。

私は根本的に適当主義だから貴金属は付けたり外したりが面倒になってしまう。でも優誠が

『お前の指のサイズっていくつだ?』

と聞いて来た。当然私は今まで指輪なんかした事がないからサイズなんかわかんない。お店のお姉さんが

『サイズをお測りします。』

と言うから私は右手を出した。そしたら優誠が

『左手、左の分しか俺は買ってやんない。』

とか言い出した。

左って…、うきゃー!?生まれて初めての指輪がいきなり左手なのですか!?

私は1人でドキドキとかして顔が一気に赤くなってしまう。優誠は少しだけ照れたように

『このくらい…、いいだろ?』

と言ってくれた。

このくらいって…、でも左手の指輪は特別なものだよ。

私はもうプチパニック。だけど優誠は

『婚約とかは別にちゃんとしたのを買ってやるけど今は男がいますって証明だけはしてくれよ。』

と私に言って来た。
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