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第21章 格が違う…

だけど優誠は私のヒゲを舐めた事を後悔していた。だって優誠は甘い物が苦手。特にバニラの甘ったるい香りが苦手な人だ。

少しは反省しなさい！

と思って私は優誠が

『オエッ…。』

と言う姿を見て笑った。

お次は魔法の杖を買ってから魔法使い気分で魔法学校で遊んだ。私達はご機嫌だったけれど由良はずっと不機嫌なままだ。私は優誠に

『優誠達って格が違う…？』

と聞いてみる。優誠は普通に

『お前が他の女と格が違うのと同じだ。』

と私に言った。

私の格？私は平凡な私？

そう思ってしまう私だからやっぱり私には優誠達みたいに格が違うという大人の話しが理解が出来ないままだ。

だけど、そんな私でも優誠は私を凄く大事にしてくれるから別にいいやといつもの適当な私になった。

夕方になると由良の彼氏が由良の機嫌が悪いから帰りますと言って優誠達に丁寧に頭を下げていた。優誠は私に

『大阪だから伊勢エビを食うか？』

と聞いて来る。私はエビが大好きだ。だから私が二つ返事で優誠にＹｅｓを答えると佐伯さんが

『美奈ちゃんはエビが好きなの？』

と聞いて来た。優誠は

『水族館でエビとカニにヨダレを垂らす女だぞ。』

と笑いながら答えた。

失礼な！カニには確かにヨダレを垂らしたけれどエビにはしてないわよ。

と私はむくれると空が笑ってそんな私をよしよししてくれる。

そうやってキャーキャーと言っている間に駐車場に着いた。私は車に乗ってから少しは真面目に優誠に

『佐伯さんってなんで立場が難しいの？』

と聞いた。

もし…、もしも、空が本当に佐伯さんを好きなのなら私は応援をしてあげたい。

そう考えていた私に優誠は

『佐伯は水原の親父と盃を交わしたからな。今はその水原の命令で俺に付いている。つまり女よりも水原の命令の方が絶対って立場だからな。』

と厳しい顔で答えて来た。そんな話しは私にはやっぱり意味がわからない。私は少し声を荒げて

『女よりってどういう意味よ？』

と優誠に聞いてしまう。優誠は真剣な顔で

『もし水原の親父に女と別れろと言われたら別れる必要があるって事だ。』

と答えた。