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第22章 就職するの？

ここって、やっぱりあの有名な怖い人達が働いている会社みたいな場所だから一般庶民な私は来ては行けないところなんだろうなぁ。

そんな事を私が考えていると車の窓が叩かれて、さっきの作業服姿の人が何かを私に言っていた。

ひーっ！？私は優誠さんから動くな話すなと言われております。お願いですから私の事は放置プレイでお願いします。

そんな馬鹿な事を考えながらもやっぱり恐怖でぼんやりとする余裕はなく半泣きになっていく私。でも私が思っていたよりも早く優誠が水原パパと一緒にこの駐車場に戻って来てくれた。

水原パパを見るなりさっきの作業服姿の人は頭を下げて居なくなり優誠が私に

『もう車から出てもいいぞ。』

と言って来た。私は慌てて車から降りて水原パパに

『お久しぶりです。』

と言って頭を下げた。水原パパは

『このクソガキが美奈さんを自分の実家には入れたくねぇとか勝手な事をぬかしやがるから、面倒くせぇたらありゃしねぇよ。』

といきなり私に言って来た。優誠は相変わらずで水原パパに

『堅気さんの娘さんを極道の事務所になってる家に入れるわけに行くかよ。クソ親父。』

と怒鳴るように言って怒っていた。水原パパは本当に面倒くさそうに私に向かって

『だったら今度は外で飯でも行こうや。』

とだけ言って手を振りながら私の前からすぐに立ち去った。優誠はそんな水原パパの背中に向かって

『絶対に行かねぇ。』

とだけ言って車に乗った。だからこんな場所に置いていかれたら困る私も慌てて車に乗った。そんな感じで水原の実家は私は本当に近寄らない方が良いみたいだとお馬鹿な私にも理解が出来ちゃった。

次に私達は優誠のママとの待ち合わせ場所に向かった。海が見える洒落たシーフードレストラン。私が魚介類を好きだからと優誠のママが気を使ってお店を決めてくれたらしい。

なのに優誠はいきなり

『お袋みたいな女にはなるな。』

と私に言って来た。

なんでだろう？

またしても私にはよくわからないまま優誠とレストランに入った。窓際の席に凄く綺麗な大人の女性がいた。藤色の落ち着いたワンピース。髪は綺麗に結い上げられていて完璧なセレブ風の女の人だった。