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一秒に見えた世界
第1章 今日から一応就活します
私達は普通のツールの高い一般客用のテーブル席で呑んでいた。このお店のVIP用のボックス席には今夜は珍しくダークな背広を来た男の人達が何人かいた。

『なんか、やばい人もいるし、もう帰ろうよ。』

といつもとは違う雰囲気に里美が言うからグラスのお酒を飲み干した私は

『じゃあ、帰る前にトイレに行って来る。』

と言い、席から動いた瞬間、椅子が以上に高い事を綺麗に忘れていた私の足は地面を踏む事が出来ずに私は宙を浮いたように前のめりに倒れてしまった。

そんな私に里美と空が同時に叫んでいた。

『危ない!』

でも酔ってた私にはその声と私が見ていた景色はまるでスローモーションのようだった。

何が危ないの?

そう私が思った時に私はまた誰かにぶつかった。

『ごめん…。』

『また、お前か?』

そう聞こえたような気がしたけど私はそこからの記憶が全くなかった。ただ次に目が覚めたら全く知らない部屋の知らないベッドに私は寝ていたのだ。

しかも何故か私は男物のブカブカのYシャツを着せられていた。

え?嘘?私ってマジに売り飛ばされたの?

そんな事が私の馬鹿な頭をよぎった時

『起きたのか?』

と私の身体に響くような低い声が私のすぐ横から聞こえて来た。自然と私の目がその声がした方へと向かった。そこには何故か昨日の怖いお兄さんが存在していた。そしてそのお兄さんは上半身が裸だ。

ちょっと待って、私は売り飛ばされた挙げ句に処女まで失ったの!?

完全に私はパニックだ。

だけどお兄さんが起き上がって口をパクパクさせる私の顎をまた掴んでいた。

『まだ寝ぼけてんのか?』

『お、起きてます。』

私は自分が何を言っているのかわからない。ただ急に私はトイレに行きたくなって来た。

だからもぞもぞと動く私に

『今度はなんだ?』

とまだ私の顎を掴んだままお兄さんが聞いて来る。

『トイレ…、おしっこしたい。』

私はまるで子供のように言ってしまった。そんな私にお兄さんが急に笑い出したと思ったら

『ここでしろよ。』

と言ってお兄さんがニヤリとする。
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