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第8章 なんでゴルフとか必要なのよ

当然、そんな私に呆れた優誠が

『適当に振らずに、ちゃんとボールを見やがれ。』

私に怒鳴りつけるように言って来る。だから次は私はボールを見た。今度こそとクラブを振ったらなんとかボールはフェアウェイという道に向かって飛んでくれた。

やっぱ、やれば出来るじゃん私って…。

そうご満悦になる私の次に優誠がボールを飛ばすと私のボールはすぐそこに見えているのに優誠のボールは全く見えなくなって行った。

なるほど…

優誠は別にゴルフのプロではないのだから今の私のレベルはその程度だという事がスタートラインで充分に私は理解が出来てしまった。

とりあえず私と優誠は私のボールがいる場所まで歩いて移動する。やっぱり私達の後ろからは社員４人がついて来る。

『あの人達はゴルフをしないの？』

優誠に私が聞いたら

『お前の練習だからな。』

と言う。

なんでゴルフとか必要なのよ…。

適当主義の私はブツブツと言いながら優誠の後ろをテクテクと歩く。優誠が

『就職したら接待ゴルフとか当たり前にあるぞ。』

と私に言って来る。

えー！？ＯＬのゴルフって聞いた事ないよ？

とか考えてたら優誠が私に人差し指をチラつかせる。

『ゴルフにだけ集中します。』

と私は言った。優誠はよしよしと私の頭を撫でてくれた。

とにかく私はキャディさんが渡してくれるクラブを次から次へとブンブンと振り回し、20回目くらいでやっと最終目的地であるかの有名なグリーンって場所まで辿り着いた。

『はぁ、はぁ…。』

もう私はクタクタだった。優誠はまた呆れた顔で

『お前がもっと飛ばせたらこのフェアウェイを歩く必要はないんだからな。』

と私に冷たく言う。グリーンとやらでも私は５回くらいボールを打ちまくり、やっとボールがカップに収まってくれた。その時にゴルフ場からキャディさんに無線の連絡が来た。

次のグループを私が滅茶苦茶待たせているとかなんとか…。

そんな連絡だ。優誠が

『次のグループを先に行かせろ。』

とキャディさんに言って私と優誠は30分くらい待たされる事になってしまった。その間に優誠は

『結城、美奈を打ちっぱなしに連れて行っておけ。』

とか結城さんに命令しているのが聞こえた。