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この香りで……。
第3章 マンション

「ハイ……」

「宮崎、おめえって、見た目よりポチャポチャしてんのな?」

 ――えっ?!

「えっ、部長! 私……。ああ、台無し……」

――せっかくキュンキュンしてたのに……。

「……」

 里井の寝息が聞こえてきた。

「もおっ、知りません!」

 奈々葉は里井をベッドに寝かせ、彼のメガネを外した。

 ――ふふふ、子どもみたい……。

 チュッ……。

 髭が伸び始めた里井の頬に唇を寄せた。

 チュッ……。

 今度は彼のざらついた唇に唇を寄せる。

 奈々葉は里井のリビングルームを片付けて帰った。
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