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この香りで……。
第26章 提案
 菜々葉はふわりとベッドに降ろされた。里井と初めて唇を合わせたベッドに腰掛ける。
 
 胸が高鳴った。
 
「ハア、痛、たたた……」と里井の手が自分の腰に回る。
 
「だから、言ったのに……」
 
 奈々葉はクスクスと笑った。身体が引き寄せられる。挽きたてのコーヒーの香ばしい香りに包まれる。
 
 ちゅっ……。
 
 首筋に里井の唇が落ちる。
 
「きゃっ……」
 
 ツッと首筋を舌先が這う。全身の産毛が立ち上がるような感触から変わった電流が背筋を駆け上がり、身をよじった。熱を帯びた子宮から溢れた水がショーツに広がる。

「ああん……」
 
 魚のように身体がピクリと跳ねた。
 
 背に手を回される。プツっと後ろのホックが外された音のあと、チィっと背中ジッパーが下りる音がした。
 
 ワンピースの袖から腕が抜けて、スウっと奈々葉の腰元で広がった。バンザイさせられタンクトップが抜かれ、ブラジャーが外される。
 
 冷えた空気が背中に当たった。
 
 ちゅっ……。
 
 額に固い唇が落ちる。
 
「……とてもキレイだ」
 
 促され、奈々葉はベッドに横たえられた。
 
 その前に里井がひざまずく。ショーツの生地に包まれた足の付け根にキスが落とされる。すっと桃の皮でも剥くようにショーツが降ろされる。
 
「恥ずかしい……」
 
 両脚の付け根にキスが落ちた。
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