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この香りで……。
第26章 提案
「……灯り、消してください」
 
「ああ……」
 
 部屋の照明の明るさが落ちた。
 
 グッとベッドのクッションが揺れる。硬い唇に奈々葉の唇が覆われる。
 
 フルンと胸が柔らかくこねられる。里井の手のひらの中でその先端が回るように擦れてもどかしい。
 
「んっ、ああ……」
 
 身体中に里井の舌が這う。鎖骨、脇腹、太腿へと唾液が塗り込められる。柔らかい快感と焦れったさで身体が右へ左へ揺れる。
 
 両脚の間に里井の指が滑った。
 
 くるくると陰唇が玩ばれ、やがて、それは菜々葉の中を探り始める。うねりながら肉襞が男の指先に纏わりつく。にちゃっという泡立つように粘りが混じる小さな音がベッドルームに広がる。
 
 膝が折られ、あぐらをかくように両脚が開かれた。股間にスっと冷たい空気を感じたあと、里井がそこを覗き込んでいる。菜々葉は自分自身の股間を何度か目にしたことはあるが、だらしなく涎を垂らし、物欲しげに口を開く自分のそこを里井に見られているのだ。
 
「やだ、恥ずかしい……」 
 
「奈々葉のココ、キラキラとキレイだ」
 
 薄く固い唇の先が菜々葉の敏感な肉芽に落ちた。
 
 ピチャッ、ピチャ……。
 
 ねっとりした感触が蜜で潤う溝を這う。溢れた蜜が集められ、子猫がミルクを舐めるときのように音を立てすすり取られる。
 
 自分でも分かるくらいに、熱を帯びた肉の粒がクルクルと転がりながら固さを増す。
 
 背筋に電流が走った。顎が上がり、背が反る。
 
「あっ……あん……」 
 
 ――イキそう。
 
 痺れのような心地よさを無視するように里井の舌が離れた。
 
 カチャカチャと鉄が当たる音と布が擦れる音。足元がグラリと揺れた。自分の脈動が聞こえる。
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