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この香りで……。
第10章 発熱
奈々葉は目を覚ました。
まだ夜は明けていないようだった。バイクの音と時々鳴るウインカーの音は新聞配達の時間だ。
いつの間にか眠ったようだ。身体が石のように重い。
三十七度七分。
その日、奈々葉は会社を休むことにした。
:
:
夜が明けて美希にラインを送った。
『美希、熱、出ちゃった……』
『遠足が楽しみすぎて熱を出しちゃった小学生みたいだね(爆)』
――ホントだ。
すぐに追伸の通知音が鳴った。
『部長にも伝える?』
『うん……』
子犬がラジャーという美希のスタンプ。奈々葉はスマートフォンのスクリーンを指で弾いて、独りクスクスと笑った。
まだ夜は明けていないようだった。バイクの音と時々鳴るウインカーの音は新聞配達の時間だ。
いつの間にか眠ったようだ。身体が石のように重い。
三十七度七分。
その日、奈々葉は会社を休むことにした。
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夜が明けて美希にラインを送った。
『美希、熱、出ちゃった……』
『遠足が楽しみすぎて熱を出しちゃった小学生みたいだね(爆)』
――ホントだ。
すぐに追伸の通知音が鳴った。
『部長にも伝える?』
『うん……』
子犬がラジャーという美希のスタンプ。奈々葉はスマートフォンのスクリーンを指で弾いて、独りクスクスと笑った。