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この香りで……。
第16章 トラブルがあった夜
午前五時三十分、奈々葉はようやく自宅に着いた。
エルグランドの車内で聞いていたアップテンポな電子音がグルグルと奈々葉の脳裏で再生されていた。
玄関の鍵を挿し込む前に手櫛で髪の乱れを直す。化粧の乱れはエルグランドのサンバイザーの裏に付いたミラーが役立った。念のためにタオルハンカチで口元を拭う。
――ああ、ハンカチ、美希に返せなかったな。
ファンデーションと口紅の付いたタオルハンカチをビジネススーツのポケットに入れた。
奈々葉はひとつ軽く咳払いをして玄関の鍵を回す。脳裏のアップテンポの曲が止んだ。
玄関を開ける。
何かが違っていた。
普段とは違う何かが……。
エルグランドの車内で聞いていたアップテンポな電子音がグルグルと奈々葉の脳裏で再生されていた。
玄関の鍵を挿し込む前に手櫛で髪の乱れを直す。化粧の乱れはエルグランドのサンバイザーの裏に付いたミラーが役立った。念のためにタオルハンカチで口元を拭う。
――ああ、ハンカチ、美希に返せなかったな。
ファンデーションと口紅の付いたタオルハンカチをビジネススーツのポケットに入れた。
奈々葉はひとつ軽く咳払いをして玄関の鍵を回す。脳裏のアップテンポの曲が止んだ。
玄関を開ける。
何かが違っていた。
普段とは違う何かが……。