この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この香りで……。
第22章 医院
「ごちそうさま……。そう言えば珍しいね。新しいお客さんなんて……」
高木が奈々葉に目をやる。フレームの小さな眼鏡越しに上目遣いで……。
「可愛らしいでしょ……お店が明るくなるわ……いつもは、病院を引退した……ねぇ?」と行ったあと、何かを思い出したかのように詠美は「あ、そうそう、高木くん」と手のひらを軽く叩いて言った。
「……少しお願いがあるの……このお姉ちゃん、足の裏を切っちゃって……処置はしたんだけど……」
:
:
高木は眼鏡を額に上げて奈々葉の足裏を覗き込む。
「うん……恐らく足の傷は大丈夫そうだ。けど……」
「……けど……?」
「……いやいや……独り言……」と言いながら、高木の手のひらが自分の胸を撫でる。
「あなた、困ったことがあったら、このおばあさんに相談しなさいね……」
――高木さんに、読まれてる? 私の心の中……。
奈々葉は小さく頷いた。
高木の大きな瞳が奈々葉をみた。「何よ。レディにおばあさんなんて」と口を尖らせる詠美を遮るように……。
高木が奈々葉に目をやる。フレームの小さな眼鏡越しに上目遣いで……。
「可愛らしいでしょ……お店が明るくなるわ……いつもは、病院を引退した……ねぇ?」と行ったあと、何かを思い出したかのように詠美は「あ、そうそう、高木くん」と手のひらを軽く叩いて言った。
「……少しお願いがあるの……このお姉ちゃん、足の裏を切っちゃって……処置はしたんだけど……」
:
:
高木は眼鏡を額に上げて奈々葉の足裏を覗き込む。
「うん……恐らく足の傷は大丈夫そうだ。けど……」
「……けど……?」
「……いやいや……独り言……」と言いながら、高木の手のひらが自分の胸を撫でる。
「あなた、困ったことがあったら、このおばあさんに相談しなさいね……」
――高木さんに、読まれてる? 私の心の中……。
奈々葉は小さく頷いた。
高木の大きな瞳が奈々葉をみた。「何よ。レディにおばあさんなんて」と口を尖らせる詠美を遮るように……。