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この香りで……。
第25章 警察署
奈々葉と里井はタクシーで☓☓警察に向かっていた。タクシーの後部席で気恥ずかしい空気だ。今朝、里井に愛された場所がまだ熱かった。奈々葉は話題を探していた。
「部長、あの……、この間……ほら、私が会社の屋上で、部長に助けてもらったとき……私……」
「ああ……宮崎、お前がどうしたんだ?」
「あのとき、不思議なお祖母さんに会ったんだけど……その方はお医者さまの奥さまのようなんだけど……で……そこに泊まったの」
「うん……」
「そこ、二階だったんだけど、私、覗いたのね。窓から真っ暗な階下を……。そこから落ちたら死んじゃうのかなあって……」
「…………死んじゃうのかって?」
「……うん、ホントは死ねるのかなあって……、だけど、飛び降りれなかった」
「ああ……」
「『落ちると痛いよ』って、小さな女の子の声に止められたの。それで、あの時、会社の屋上でも……」
「バカヤロー、そういう時は、ひとりで悩まねえで、上司の……イヤ……、俺に相談しろ。いつでも……な?」
「うん……」
里井の硬い手が奈々葉の手を取った。
奈々葉は自分の手を里井の手に重ねる。
「部長、あの……、この間……ほら、私が会社の屋上で、部長に助けてもらったとき……私……」
「ああ……宮崎、お前がどうしたんだ?」
「あのとき、不思議なお祖母さんに会ったんだけど……その方はお医者さまの奥さまのようなんだけど……で……そこに泊まったの」
「うん……」
「そこ、二階だったんだけど、私、覗いたのね。窓から真っ暗な階下を……。そこから落ちたら死んじゃうのかなあって……」
「…………死んじゃうのかって?」
「……うん、ホントは死ねるのかなあって……、だけど、飛び降りれなかった」
「ああ……」
「『落ちると痛いよ』って、小さな女の子の声に止められたの。それで、あの時、会社の屋上でも……」
「バカヤロー、そういう時は、ひとりで悩まねえで、上司の……イヤ……、俺に相談しろ。いつでも……な?」
「うん……」
里井の硬い手が奈々葉の手を取った。
奈々葉は自分の手を里井の手に重ねる。