この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
この香りで……。
第25章 警察署
 ☓☓警察につく頃、里井のスマホに電話があった。
 

「ああ……、ああ、そうか……いつもすまんな」
 

「何の連絡ですか?」
 
「……弁護士によると坂村との接見はダメなんだと……。長くて七十二時間くらいは家族でもダメらしい」
 
 里井がため息をつくように言った。
 
 ――七十二時間、3日か。
 
「長いですね?」
 
「仕方ねえな」と、里井が運転席に身を乗り出し、ひとつため息を吐いてから言った。

「運転手さん、すみませんが……」と里井はタクシーの行き先を○☓情報サービスに変更した。
 
 :
 :

 ○☓情報サービスの前には、マスコミらしき人物で物々しい雰囲気だった。

里井が先に歩き、奈々葉が少し後を追う。「地方銀行個人情報漏洩の件でお聞きしたいんですが……」と一気に数本のマイクとカメラを向けられた。あっという間に人垣ができて、眩しいほどのフラッシュに目を細めた。

「おい、奈々葉っ……!」
 
 里井がドスの効いた声で奈々葉を呼ぶと、「すみません……」と誰かの声がして、人垣が散り散りに崩れた。
 
 ――きゃっ、奈々葉だって!
 
 奈々葉は里井の横に並ぶ。里井の筋肉質の腕が菜々はの腕に通ると、力強く引き寄せられた。少し顔を伏せて小走りで歩いた。
 
 奈々葉と里井は、システム営業部のある階に向かうエレベーターの中にいた。里井は自分の胸ポケットから手帳を取り出して、何かを確認している。
 
「だけど、ドキドキしました。部長が『おい、奈々葉!』なんて……。ハハハ……。カップルに見えましたかね、私たち……」
 
 里井が手にした手帳で菜々葉の頭を叩くふりをした。

 菜々葉は小猫のように首をすくめる。
 
「アホか……。見えねえよ。ったく……。ああでもしなきゃ、マスコミなんて振り払えねえよ。宮崎、お前ってホント空気読めねえやつだな」
 
 と里井は言ったあと
 
 「俺たちがウチの人間だって、すぐにバレるさ、そんなもん……」と寂しそうに言った。
 
/112ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ