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秘密のピアノレッスン
第2章 目覚め
スカートを慌てて下ろし、膝をくっつけてソファの背もたれに寄りかかった。
レッスンは広いLDKで行われていて、廊下に繋がるリビングのドアが開いたら、次は私の番。
「さようなら」
前のレッスン枠は、中学生ぐらいの男の子で、帰ろうとする彼とすれ違いながら、リビングのドアを開けて入った。
「先生、失礼します。こんばんは……」
先生は、めずらしくテーブルにつき、こちらを一度も振り向かずに話を始めた。右手のペンをぐるぐる回して、考え事をしているようだ。
「こんばんは。突然だけど、滝沢さんは発表会どうする?」
「発表会……」
「今は10月でしょ。来年の2月にあるから、丸々4ヶ月あるけど。それまでにピアノ辞める予定はある?」
「な、ないです」
「……大学生になっても来るの?」
「はい……」
先生は意外そうにしている。普通は、大学生になったら来ないのかな……?
レッスンバッグを抱きしめ突っ立っていると、先生はテーブルでノートに何か書きこみながら「何か弾きたいものある?」と事務的に尋ねてきた。
レッスンは広いLDKで行われていて、廊下に繋がるリビングのドアが開いたら、次は私の番。
「さようなら」
前のレッスン枠は、中学生ぐらいの男の子で、帰ろうとする彼とすれ違いながら、リビングのドアを開けて入った。
「先生、失礼します。こんばんは……」
先生は、めずらしくテーブルにつき、こちらを一度も振り向かずに話を始めた。右手のペンをぐるぐる回して、考え事をしているようだ。
「こんばんは。突然だけど、滝沢さんは発表会どうする?」
「発表会……」
「今は10月でしょ。来年の2月にあるから、丸々4ヶ月あるけど。それまでにピアノ辞める予定はある?」
「な、ないです」
「……大学生になっても来るの?」
「はい……」
先生は意外そうにしている。普通は、大学生になったら来ないのかな……?
レッスンバッグを抱きしめ突っ立っていると、先生はテーブルでノートに何か書きこみながら「何か弾きたいものある?」と事務的に尋ねてきた。