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秘密のピアノレッスン
第14章 年明けのレッスン
ああ。顔が上げられない。

嬉しくて、胸が熱くなって。
誰かにこんなに大事にされる価値なんて、やっぱり自分にはないような気がするから、どうしていいかわからない。

乳白色の大理石の上で、ブーツを脱がずに、ぎゅっとレッスンバッグを抱いていたら、靴を脱いだ先生が振り返った。

「どうしたの?」
「あ、ごめんなさい……脱ぎます」

体を屈めてブーツのサイドファスナーを下ろす。すると、先生がレッスンバッグに手を伸ばし、何もついていないバッグの持ち手に触れた。

クリスマスの晩に、ずっと大事につけていたくまのキーホルダーをなくしたことに気がついていたけれど……。

先生が、「キーホルダーなくして困ってなかった?」と笑う。

「はい、落としちゃったかなと思ってて……」
「昨日、持ってきてくれたんだよ。ゆいちゃんと、ゆいちゃんのお母様が」
「え……」

そう言えば、不安げにゆいちゃんを、あのくまであやした記憶が。

先生はリビングの棚から、くまのキーホルダーと小袋を取り出して、テーブルに置いた。
赤いリボンのついた透明の小袋には、可愛らしいアイスボックスクッキーが入っている。
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