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秘密のピアノレッスン
第14章 年明けのレッスン
「わあ……おいしそう」
「あと、手紙もついてる」

先生がくまの柄の封筒を渡してくれた。
宛名面に「おねえさんへ ゆいより」と、子供の字で書かれている。

「今、読んでもいいですか……?」
「いいよ」

大きなテーブルの上でカサ……と封筒を開けると、ゆいちゃんとお母さんから、それぞれ手紙が入っていた。

ゆいちゃんの手紙には、女の子の絵と、女の人の絵と、グランドピアノの絵。
幼かった私が描いた絵とよく似ていて、おぼつかない字で、「くまさんありがとう」と書かれていた。鏡文字もちらほらある。

あんな小さな手で、私に……。

お母さんの手紙には、いつも、ゆいちゃんは母親がいない場所では泣いてしまうのに、優しいお姉さんが遊んでくれたと笑顔で話していたこと、私への感謝とくまを持って帰ったお詫び、クッキーはゆいちゃんと一緒に作ったことなど、美しい文字でしたためられてあった。


こんなに純粋な形の「ありがとう」。

こんな気持ちも、こんなに可愛いクッキーも、今までもらったことがない。


優しくされると、どうしていいかわからない。
役立たずで、気が利かなくて、勉強もできない。
愛される価値なんてない。

それが私のはずなのに。
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