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秘密のピアノレッスン
第14章 年明けのレッスン

「ゆいちゃん、また君に会いたいって言ってたらしいよ。うちの母も、『更紗ちゃんはどこに出しても恥ずかしくないお姉さんになったわね』って喜んでて……」
涙でぐしゃぐしゃで、もう先生の方を向けない。
先生の手が、そっと私の髪を撫でた。
「…………どうして泣くの?」
先生は髪を撫で続けてくれるのに、優しい問いかけにも答えられない。
久しぶりに先生に会えて、幸せなはずなのに。
クリスマスは、これ以上ないほどの幸せを感じたはずなのに。
母といた冬休み、機嫌を窺い、邪魔にならないように息を潜め、自分を殺して過ごした時間は、じんわりと心を蝕んで、ひりひりと痛い。
「みんな……優しいから…………」
「それは君が優しいからだよ」
コートを着たまま、泣きじゃくり顔が上げられない私を先生の腕が包む。
「泣かれたらレッスンできない」
「す、すみません……」
先生はコートの上からぎゅっと力を込めながら、前髪がかかったおでこにキスを落とす。
「謝らないで。怒ってないよ。どうする?泣いてたら襲いたくなるんだけど、今から襲われる?」
「え」
涙顔のまま先生を見上げたら、ぶっと先生が吹き出した。
涙でぐしゃぐしゃで、もう先生の方を向けない。
先生の手が、そっと私の髪を撫でた。
「…………どうして泣くの?」
先生は髪を撫で続けてくれるのに、優しい問いかけにも答えられない。
久しぶりに先生に会えて、幸せなはずなのに。
クリスマスは、これ以上ないほどの幸せを感じたはずなのに。
母といた冬休み、機嫌を窺い、邪魔にならないように息を潜め、自分を殺して過ごした時間は、じんわりと心を蝕んで、ひりひりと痛い。
「みんな……優しいから…………」
「それは君が優しいからだよ」
コートを着たまま、泣きじゃくり顔が上げられない私を先生の腕が包む。
「泣かれたらレッスンできない」
「す、すみません……」
先生はコートの上からぎゅっと力を込めながら、前髪がかかったおでこにキスを落とす。
「謝らないで。怒ってないよ。どうする?泣いてたら襲いたくなるんだけど、今から襲われる?」
「え」
涙顔のまま先生を見上げたら、ぶっと先生が吹き出した。

