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秘密のピアノレッスン
第14章 年明けのレッスン

「やっとこっち向いた。更紗の泣き顔見てたら、興奮してきた」
「泣き顔に?」
えええ……。
泣き顔に興奮する人もいるの?
びっくりしていると、長い指が涙を拭い、頬を滑る。
「涙、止まったね。じゃ、レッスンしようか。お楽しみはレッスンの後ね。先にリストやろう」
「……はいっ」
あれ?興奮するのは嘘だったのかな?
しかし、仰々しく慰めたりもしないで、私を悲しみから引っぱり上げてくれる先生は、ピアノだけではなく人間としても尊敬した。
発表会まであとひと月切っている。
レッスンは二人とも真剣にやる。それだけは区切りをつけている。
「うん。まあ、合格です」
先生が持っている鉛筆が、楽譜の上で動く。
愛の夢は、ようやく丸をもらえた。
「泣き顔に?」
えええ……。
泣き顔に興奮する人もいるの?
びっくりしていると、長い指が涙を拭い、頬を滑る。
「涙、止まったね。じゃ、レッスンしようか。お楽しみはレッスンの後ね。先にリストやろう」
「……はいっ」
あれ?興奮するのは嘘だったのかな?
しかし、仰々しく慰めたりもしないで、私を悲しみから引っぱり上げてくれる先生は、ピアノだけではなく人間としても尊敬した。
発表会まであとひと月切っている。
レッスンは二人とも真剣にやる。それだけは区切りをつけている。
「うん。まあ、合格です」
先生が持っている鉛筆が、楽譜の上で動く。
愛の夢は、ようやく丸をもらえた。

