この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘密のピアノレッスン
第16章 呪縛から
先生はそれ以上、言葉を続けなかった。
沈黙が流れて、車の中でただ見つめ合う。
ガーゼを止めたテープの上を、そうっと、先生の指がかすめた。

「……来るか」

優しい声に頷き、優しい唇で息を塞がれる。
先生の柔らかな唇がふわりと下唇を食み、二人で熱い舌を絡め合わせた。熱を持ち始めた眼差しで、先生が言う。

「……家に必要なものを取りに行こう。お母さんがいたら、俺も話をさせていただくよ」

母がいたら怖い。
怖いけど……。

ちゅる、と首筋に先生の舌が這った。

「あ、っ……」
「明日の事は明日考えよう。今夜は……一緒にいよう。君が安心できるまで、一緒にいる」

先生の長い指が、膝の上でつくっていた私の拳を包む。
大事にされると、涙が止まらない。


先生と二人で家に戻ったが、なにひとつ案ずる心配はなかった。
母は全く戻って来てはいなかったし、ワインはこぼれてグラスは床に転がったままだった。

必要なもの。
制服、鞄。学校の用意。ゆいちゃんの手紙とクッキー。
あとは、父の連絡先もあればと思ったけれど、それはどこにもなかった。
/209ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ