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秘密のピアノレッスン
第9章 深み
唇を奪われると、完全に先生の虜になってしまった。
大好きなピアノを弾く時間も、先生との交わりに尽くしたい。
内臓を晒した相手に忠誠を誓いたくなるのも、本能の仕業なのか。

眼鏡を外した先生は、私に淫らなことを教えてくれる。

「あ……三本入った。馴染んできたね」

あの美しく憧れた指が、三本も私の中に。
先生の淫靡な施しを、鏡が映している。

「あぁ……っ」
「指動かすよ」
「んんんっ………」

掻き回すように指が動き出して、痛みを覚悟したのに、ぬるりと滑らかなせいで痛くない。
先生の指は、しとどに漏らし続けている透明な液体に塗れて、ぬらぬらと光っている。

……美しい。


憧れの指を自分の体液で汚してしまって、申し訳ないのに、その部分は別の人格のように、嬉しそうに先生の指を締めつけたり、うねうねと動いている。

いやらしい自分がとても恥ずかしい。
見たくないのに見てしまう葛藤と、背徳のこの時間を、鏡がすぺて映している。

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