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秘密のピアノレッスン
第10章 18歳
先生が見せる隙に、どんどん惹かれてしまう。
いつもは、私の手を引いて、導いてくれるけれど。
子供のように眠たげな顔をしている先生を見ていると、母性が擽られてすごく愛しい。

でも先生、本気で眠そうで心配になってきた。
ときどき、こくりと船漕いでるし。


「先生、寝てください。私は適当に過ごすので……」
「いや、さすがに更紗ちゃんを放っては寝ないよ。せっかくここまで来てくれたのに。今日誕生日でしょ?」
「え、でも」
「じゃ、君も一緒に寝る?」

え。それは、どういう意味……。
先日の行為の、続き……?

押し黙ってしまった私に、先生はくすくすと笑い出す。

「困らせちゃったね。大丈夫だよ、冗談だから」

か、からかわれたのかな?
嬉しそうに微笑む先生の本心が見えない。


私が先生に会えるのは毎週木曜の暗くなったあと。
今日みたいに、さわやかな朝で、窓から見える景色がこんなにいい天気だと、恥ずかしさが先立ってしまった。
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