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どうか、その声をもう一度
第4章 愛と罰
ベッドを見渡せる位置に置かれた革張りの椅子。深く腰掛けて、足を組んだ隆也は私に顔を上げるように命じた。それに従って、彼の暗い瞳を見つめる。
「きれいだよ、沙英」
心臓の音も、漏れる吐息も、全てがうるさい。彼は縛り上げた私をじっと見つめているだけだというのに、下腹部は熱を持ち、麻縄で塞がれた秘裂からは蜜がこぼれだす。
行為がエスカレートしていることに気付いた頃には私は縄で縛られるだけで興奮を覚えるようになっていた。
長い夜はまだ始まったばかりだ。朝を迎えるまで私は眠ることを許されない。ダブルサイズのベッドはさながら膝立ちで縛られた私の為のステージといったところか。まるで芸術品を眺めるような目つきで私を視姦する彼が満足するまでに時間はまちまちだ。
エアコンの温かい風を感じると身体が疼く。荒い息を吐いて、口を開けば、隆也は微かに笑った。革張りの椅子から立ち上がり、ベッドの下から黒い箱を引っ張りだす。中からいくつかの道具を選び出すと私に見える位置に並べていく。
「今日は、どれがいいかな。これかな」
並べられた道具はグロテスクな男性器を模ったバイブレーターが3種類と、アナル用の玩具が3つ。どれがいいかな、なんて言いながら結局は全部使うのだ。ふるふるとかぶりを振っても、彼はそれを無視するだけだった。
今日はバイブばかりだから機嫌が良いのだろう。機嫌が悪い日は真っ先に箱から取り出されるのはバラ鞭だった。
ほら、と言いながら並べた中では一番細いバイブを私の口元に近づける。先端にキスをして口を開くとシリコンの男性器は私の口の中に押し込まれた。彼のイチモツに奉仕をするようにねっとりと唾液を絡ませる。そうしながら隆也の目を見つめる。
コーヒーを挽いているときは柔らかく微笑んでいたが、今、彼の顔に浮かんでいる笑みは寒気を感じさせるほど不気味だ。