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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
 ちょっと失礼を。おほほほ。

 なんか変な笑い声をあげて花楓が俺の腕を引っ張る。沖田を道場に残し、その姿を少し離れたところで見ながら花楓とひそひそと話し合う。

「ちょっと。何だってこんな真っ昼間から出てるくのよ」
「知るかよ」
「幽霊って昼間も出るものなの?」
「だから知らねーって」
「それにさ」

 道場できちんと正座をしている沖田をちらり、と見る。

「沖田総司ってもっと美男子じゃないの?」

 あまり歴史を知らない人に沖田総司のイメージを聞けば「剣の達人」「何か病気だった人」と並んで「イケメン」と答える人が多いだろう。

 しかし、それは実は後世になって作られた設定らしい。というか、実物が目の前にいるので、多分それは事実だ。
 幽霊のくせに真っ昼間から現れた沖田総司は、愛嬌のある顔をしているもののすごい美男子、というわけではなかった。ちょっと目が離れていて鼻が低い魚顔。そういえば沖田総司を「ヒラメ顔」と書いた何かを読んだことがある。

 ちなみに「総司」は「そうじ」ではなく「そうし」と読むらしい。これも本人がそう名乗っていたから間違いない。

「話は終わりましたか?」
「あ、はい。すいません」

 道場からのんびりと声をかけられて、俺と花楓はいそいそと沖田の元へと戻る。
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