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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
土方さんとは、新選組副長の土方歳三のことだろうか?
そう聞くと「そうですよ」と沖田はあっさりと頷いた。
「一緒に来たんですか?」
「はい。でも途中ではぐれてしまって」
二杯目のお茶をおいしそうに啜りながら沖田が言う。いつの間にか干し柿は完食されていた。
「あの人、方向音痴なんですよ」
「…はい?」
「土方さん、実は方向音痴なんです」
「そ、そうなんすか…?」
ニコニコと沖田が頷く。
「ほら、土方さんてよく僕と一緒に行動してるっていう印象がこの時代の人にはあるみたいじゃないですか。それ、正解なんです。何で僕と一緒にいることが多いかっていうと、鬼の副長が方向音痴なんてみっともないじゃないですか。本人もそれを気にしていて、平隊士にはなかなか道を聞けないんですよね」
ぽかん、と俺と花楓は沖田の話を聞いていた。
新選組の意外な事実を知った。というか、沖田ってよくしゃべるなぁ…
人懐こい性格で近所の子供にも好かれていたというが、どうやらそれも正解らしい。
「じゃあ、土方さんはどこかで迷っていて、それでもしかしたらここに来てるかも、と?」
「はい。土方さん、迷子になっちゃったんです」
ぷっと思わず噴き出した。鬼の副長が迷子って。何だかミスマッチな単語の組み合わせだ。
それにしても、土方のほうが先にここに来てなくてよかった。もしかしたら今こうやって向き合っているのは、ニコニコしている青年じゃなくて、鬼だったかもしれない。
そうなったら、と考えると胃が痛い。
「しかも迷っても迷子ってこと絶対に認めないんですよね。むっつり黙って歩いてるもんだから街の人は怖がって、鬼の副長が怖い顔で巡察をしてるって言うんですよ」
本当はただの迷子なのにね。沖田は楽しげに笑う。
そうやってからかえるくらい、沖田と土方は仲が良かったんだろうな。
そう聞くと「そうですよ」と沖田はあっさりと頷いた。
「一緒に来たんですか?」
「はい。でも途中ではぐれてしまって」
二杯目のお茶をおいしそうに啜りながら沖田が言う。いつの間にか干し柿は完食されていた。
「あの人、方向音痴なんですよ」
「…はい?」
「土方さん、実は方向音痴なんです」
「そ、そうなんすか…?」
ニコニコと沖田が頷く。
「ほら、土方さんてよく僕と一緒に行動してるっていう印象がこの時代の人にはあるみたいじゃないですか。それ、正解なんです。何で僕と一緒にいることが多いかっていうと、鬼の副長が方向音痴なんてみっともないじゃないですか。本人もそれを気にしていて、平隊士にはなかなか道を聞けないんですよね」
ぽかん、と俺と花楓は沖田の話を聞いていた。
新選組の意外な事実を知った。というか、沖田ってよくしゃべるなぁ…
人懐こい性格で近所の子供にも好かれていたというが、どうやらそれも正解らしい。
「じゃあ、土方さんはどこかで迷っていて、それでもしかしたらここに来てるかも、と?」
「はい。土方さん、迷子になっちゃったんです」
ぷっと思わず噴き出した。鬼の副長が迷子って。何だかミスマッチな単語の組み合わせだ。
それにしても、土方のほうが先にここに来てなくてよかった。もしかしたら今こうやって向き合っているのは、ニコニコしている青年じゃなくて、鬼だったかもしれない。
そうなったら、と考えると胃が痛い。
「しかも迷っても迷子ってこと絶対に認めないんですよね。むっつり黙って歩いてるもんだから街の人は怖がって、鬼の副長が怖い顔で巡察をしてるって言うんですよ」
本当はただの迷子なのにね。沖田は楽しげに笑う。
そうやってからかえるくらい、沖田と土方は仲が良かったんだろうな。