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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
「花楓、本当にいいのか?」

 きゅっとポニーテールを結び直し、道着に着替えた花楓がひゅんと竹刀で空気を鳴らす。

「うん。沖田もこのままじゃ帰れないって顔してたしね」
「そうだけど…大丈夫か?」

 花楓は忍としては一流だ。柳生の忍らしく剣の腕も確かで、よほどの達人が相手でなければ引けを取らないだろう。

 ただし、今回の相手の沖田は超一流の達人の域に住む男だ。

 新選組で誰がいちばん強いか。歴史好きの人の間でよく語られるテーマのひとつだ。

 斎藤一がいちばん強い。実は永倉だ、いややはり土方が強いのでは。
 そんな中、真っ先に名前が挙がるのが沖田総司だろう。「沖田の三段突き」と言えば、神速の剣の代名詞だ。

 一息の動きで突きの三連撃。

 技をくらったほうは、防ぐこともかわすも出来ずに串刺しにされるという。

 道場の反対側では、体をほぐすように沖田が軽く竹刀を振っている。
 いい具合に力が抜けて、いい具合に力が入っている。まさに自然体。まだまだ暖気運動の段階だというのに、竹刀は見事に空気を斬り裂いている。

「うん」

 頷く花楓緒額にはすでに汗が浮いている。相手の力量を肌で感じたのだろう。

「見ててね。沖田の剣を少しでも引き出してみせるから」

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