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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
 花楓の気が充実していく。細く閉じられた目は、それでもしっかりと沖田の姿を見据えている。

 正眼に構えた竹刀はまだピクリとも動かない。しかし竹刀の先にまで花楓の神経が行き届いているのが分かる。

 俺だってここまで集中した花楓の剣は受けたことがない。
 どれほどの攻撃が繰り出されるのか。花楓もただの達人じゃない。

 もしかしたら、沖田を捉えることが、いや、倒すことが出来るのではないか。

「行くよ」
「はい」

 花楓の静かな声に沖田が応じる。

 突風のような速さで花楓が踏み込む。風を巻いて竹刀が沖田に振り下ろされる。

 入った。

 俺はそう思った。それほどの一撃だった。

 その瞬間、さらに早く沖田が動いた。ぐっとたわめた膝を一気に伸ばし、雷光のような飛び込み突き。

 まさに神速。

 花楓のポニーテールが乱れて広がりながら跳ね上がった。

「え…?」

 ぺたん、と花楓が板敷の道場に座り込んだ。
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