この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
「花楓!」
駆け寄る俺に茫然とした顔で花楓が振り向く。切れたヘアゴムが遠くに転がっている。
「大丈夫か?」
「うん、平気…当たってないからね」
「え?」
ポニーテールの結び目があったあたりに手を添えながら、花楓が沖田に視線を送る。
「手加減された…」
「すいません。女性を撃つのはどうも苦手で」
申し訳なさそうに頭を掻くその様子は、恐ろしいまでの速さの突きうを繰り出したあの剣豪と同じ人物とは思えなかった。
「なので、髪は女性の命とも言いますし、そこを狙わせてもらいました。傷んじゃったら申し訳ないです」
沖田はつまり、花楓の必殺の一撃をぎりぎりの瞬間まで引き付け、そして剣先を正確にポニーテールの結び目だけを狙って突き刺した、とそういうことか。
花楓の踏み込みは今まで見たことがないほどに早かった。その速さを上まり、さらに針の穴を通すような正確な剣捌き…
「ごめん、小次郎…何も見えなかった…」
肩で息をしながら言う花楓の顔は汗にびっしょりと濡れている。
それも無理はない。横で見ていた俺にだって沖田の全ての動きが見えたわけではなかった。対峙していた花楓には沖田の姿が消えたように見えたとしても何ら不思議はない。
「申し訳ありません。お怪我はないかと思いますが」
「うん…」
差し出された沖田の手を花楓は思わず掴んだ。それくらいにさり気なく毒気のない、自然な動きだった。気付いた時には手を引かれ立ち上がっていた。
そして、その目が花楓から俺へと向けられる。
「あなたとの勝負は、今夜。場所は近藤さんが戦ったところ。それでいいですね?」
「分かった。受けて立つ」
「ありがとうございます」
穏やかな笑顔で沖田が答えた。
駆け寄る俺に茫然とした顔で花楓が振り向く。切れたヘアゴムが遠くに転がっている。
「大丈夫か?」
「うん、平気…当たってないからね」
「え?」
ポニーテールの結び目があったあたりに手を添えながら、花楓が沖田に視線を送る。
「手加減された…」
「すいません。女性を撃つのはどうも苦手で」
申し訳なさそうに頭を掻くその様子は、恐ろしいまでの速さの突きうを繰り出したあの剣豪と同じ人物とは思えなかった。
「なので、髪は女性の命とも言いますし、そこを狙わせてもらいました。傷んじゃったら申し訳ないです」
沖田はつまり、花楓の必殺の一撃をぎりぎりの瞬間まで引き付け、そして剣先を正確にポニーテールの結び目だけを狙って突き刺した、とそういうことか。
花楓の踏み込みは今まで見たことがないほどに早かった。その速さを上まり、さらに針の穴を通すような正確な剣捌き…
「ごめん、小次郎…何も見えなかった…」
肩で息をしながら言う花楓の顔は汗にびっしょりと濡れている。
それも無理はない。横で見ていた俺にだって沖田の全ての動きが見えたわけではなかった。対峙していた花楓には沖田の姿が消えたように見えたとしても何ら不思議はない。
「申し訳ありません。お怪我はないかと思いますが」
「うん…」
差し出された沖田の手を花楓は思わず掴んだ。それくらいにさり気なく毒気のない、自然な動きだった。気付いた時には手を引かれ立ち上がっていた。
そして、その目が花楓から俺へと向けられる。
「あなたとの勝負は、今夜。場所は近藤さんが戦ったところ。それでいいですね?」
「分かった。受けて立つ」
「ありがとうございます」
穏やかな笑顔で沖田が答えた。