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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
息が白く舞い、鋭い剣閃に断ち切られる。素早い横薙ぎの一撃を身をよじってかわし、続いて振って来た切り下げを鍔元で受ける。
沖田は力は強くないが、剣は決して軽くはない。素早い振りに体重を乗せ、重い一撃を見舞ってくる。
体に力を籠め、受け止めた刀をぐっと押し返す。そしてまたお互いの刀が交差する。
それは長い戦いになった。
俺の忍び装束はところどころが裂かれ、血が滲んでいる。沖田の羽織の袖も大きく破れ風にはためいている。
もう呼吸を整えることも出来ない。勝負は沖田の方にやや分がある。でも俺はまだ諦めてはいない。まだまだ戦う。我武者羅に、無心に。そして必死に。
それは沖田も同じだった。涼しい顔をしているが、肩が大きく上下している。
「すごいですね。ここまでついてこられるなんて」
「もう一杯一杯だよ」
くす。何度目かの沖田の忍び笑い。
「それでもすごいですよ。小次郎さんも、花楓さんも」
花楓…?
俺ははっと振り返る。
そこには冷たい地面の上で両手で体を抱え込む花楓の姿。
そうか…
刀を握る手に力が入る。
沖田の動きについて行けるようになったのは、俺が速さに慣れたからじゃない。花楓がより深く強い力を俺に与えてくれていた。
なのに俺は戦いに集中するあまり、それに気が付けなかった。
花楓は俺の集中を妨げないように、必死に声を殺し強い快感に押し流されないように戦ってくれている、
忘れちゃいけないんだ。忘れちゃいけなかったんだ。
俺の後ろに花楓がいることを。
花楓が俺に力を与えてくれていることを。
両手で口を覆い涙を流しながらも、花楓は俺を見守ってくれている。
その涙の意味は考えるだけ野暮というものだ。何も快感が溢れさせている涙というだけじゃない。
ごめん、花楓。でも俺、思い出したよ、
この力があれば、俺はいつまでもどこまでも、誰とだって戦える。
花楓がいれば、誰にも負けないよ。
その力を『絆』と呼ぶ。
「でも、そろそろ限界のようですね。僕もあなたも、そして彼女も」
「そうだな…」
俺は体に沿って剣先を下げる。
「だから、次が最後だ…」
沖田は力は強くないが、剣は決して軽くはない。素早い振りに体重を乗せ、重い一撃を見舞ってくる。
体に力を籠め、受け止めた刀をぐっと押し返す。そしてまたお互いの刀が交差する。
それは長い戦いになった。
俺の忍び装束はところどころが裂かれ、血が滲んでいる。沖田の羽織の袖も大きく破れ風にはためいている。
もう呼吸を整えることも出来ない。勝負は沖田の方にやや分がある。でも俺はまだ諦めてはいない。まだまだ戦う。我武者羅に、無心に。そして必死に。
それは沖田も同じだった。涼しい顔をしているが、肩が大きく上下している。
「すごいですね。ここまでついてこられるなんて」
「もう一杯一杯だよ」
くす。何度目かの沖田の忍び笑い。
「それでもすごいですよ。小次郎さんも、花楓さんも」
花楓…?
俺ははっと振り返る。
そこには冷たい地面の上で両手で体を抱え込む花楓の姿。
そうか…
刀を握る手に力が入る。
沖田の動きについて行けるようになったのは、俺が速さに慣れたからじゃない。花楓がより深く強い力を俺に与えてくれていた。
なのに俺は戦いに集中するあまり、それに気が付けなかった。
花楓は俺の集中を妨げないように、必死に声を殺し強い快感に押し流されないように戦ってくれている、
忘れちゃいけないんだ。忘れちゃいけなかったんだ。
俺の後ろに花楓がいることを。
花楓が俺に力を与えてくれていることを。
両手で口を覆い涙を流しながらも、花楓は俺を見守ってくれている。
その涙の意味は考えるだけ野暮というものだ。何も快感が溢れさせている涙というだけじゃない。
ごめん、花楓。でも俺、思い出したよ、
この力があれば、俺はいつまでもどこまでも、誰とだって戦える。
花楓がいれば、誰にも負けないよ。
その力を『絆』と呼ぶ。
「でも、そろそろ限界のようですね。僕もあなたも、そして彼女も」
「そうだな…」
俺は体に沿って剣先を下げる。
「だから、次が最後だ…」