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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
 柳生新陰流から沙川古流に伝わる、究極の構え。無形の位。

 体の力を全て抜き、いかなる事態にも対応できる自然体を作り出す。
 少しでも心に乱れがあれば隙だらけとなる。相手にとっても自分にとっても必死確実な構え。

「いい剣気です。僕にもあなたの覚悟が伝わってくる…」

 沖田が小さくつぶやく。

「ではこちらも、全力の剣で」

 すっと剣先が持ち上がり、地面と水平に構えられる。突きの構えだ。

 全力で、と宣言したからには沖田の最強の技が来る。三段突きだ。
 花楓との戦いの時に見せた突きは一段のみ。それでも残像が見えそうなほど早かった。

 必殺の剣は防ぎ切れれば逆に最大の好機となるはずだ。

 ふー…

 沖田の口から細く長い息が吐き出され、白く漂い夜気に消える。

 じりじりと沖田が摺り足で間合いを調整する。沖田の剣の間合い。俺はそこに取り込まれる。
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