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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第2章 決戦! 近藤勇!!
「いや、まさか目が覚めた途端に殺されかけるとは思わなかったよ」
俺が言うとじーちゃんは楽しそうにふぉっふぉっ、と笑う。
「あんたがへんなとこ見てるからでしょ」
じーちゃんの横で今度はパンツが見えないようにしっかり座った花楓が尖った声を出す。
六畳の畳敷きの古風な離れの俺の部屋。三人も入るとさすがに手狭に感じなくもない。
「怪我の具合はどうじゃ?」
「ああ、うん。まだ腕を動かすと少し痛いけど大丈夫そう」
「まったく心配かけて。お医者様に診てもらったら全然大した怪我じゃなかったわよ」
「え…?」
花楓の言葉に俺は包帯を巻かれた右肩をさする。
右肩は確かに怪我をしている。俺の記憶では近藤勇の刀が深く斬り裂いた。そして吹き上がる血が俺の顔を濡らしていた。
「浅く裂かれただけ。血は出てたけど骨には届いてないわよ、って聞いてる?」
「あ、うん聞いてる…」
「寝ぼけてんの?」
「いや、そういうわけじゃないけど…」
パンツを見られたせいか、まだぷりぷり怒りながらも一応は心配してくれているみたいだ。
にこにこと話を聞いていたじーちゃんが不意に笑いを引っ込めた。
「相手は新選組の近藤勇だったそうじゃの」
「うん」
「何か理由があって現世に蘇ったか。おそらく小次郎は幻覚を見せられたのじゃろうな」
「幻覚?」
花楓が問い返すとじーちゃんが頷く。
「現世に蘇った者は元々実体を持たぬ。精神力でこの世に実体化しておるのじゃ。すでに体そのものが幻のようなものじゃ。そういう者ならば強い剣気で相手に幻を見せることも出来るじゃろうの。
例えば深く斬りつけ重傷を負わせたように相手に思い込ませる、とかの」
「つ、つまり俺は幻覚を見せられて斬られたと思い込んでたってこと?」
「もしくは近藤本人と同じように実体を持たない刀に遊ばれたか。斬るものを斬り、斬らずと思ったものは斬らず。
どの道、近藤にいいようにあしらわれたようじゃな」
ふぉふぉ。いつもの調子でバルタン笑いのじーちゃん。
俺が言うとじーちゃんは楽しそうにふぉっふぉっ、と笑う。
「あんたがへんなとこ見てるからでしょ」
じーちゃんの横で今度はパンツが見えないようにしっかり座った花楓が尖った声を出す。
六畳の畳敷きの古風な離れの俺の部屋。三人も入るとさすがに手狭に感じなくもない。
「怪我の具合はどうじゃ?」
「ああ、うん。まだ腕を動かすと少し痛いけど大丈夫そう」
「まったく心配かけて。お医者様に診てもらったら全然大した怪我じゃなかったわよ」
「え…?」
花楓の言葉に俺は包帯を巻かれた右肩をさする。
右肩は確かに怪我をしている。俺の記憶では近藤勇の刀が深く斬り裂いた。そして吹き上がる血が俺の顔を濡らしていた。
「浅く裂かれただけ。血は出てたけど骨には届いてないわよ、って聞いてる?」
「あ、うん聞いてる…」
「寝ぼけてんの?」
「いや、そういうわけじゃないけど…」
パンツを見られたせいか、まだぷりぷり怒りながらも一応は心配してくれているみたいだ。
にこにこと話を聞いていたじーちゃんが不意に笑いを引っ込めた。
「相手は新選組の近藤勇だったそうじゃの」
「うん」
「何か理由があって現世に蘇ったか。おそらく小次郎は幻覚を見せられたのじゃろうな」
「幻覚?」
花楓が問い返すとじーちゃんが頷く。
「現世に蘇った者は元々実体を持たぬ。精神力でこの世に実体化しておるのじゃ。すでに体そのものが幻のようなものじゃ。そういう者ならば強い剣気で相手に幻を見せることも出来るじゃろうの。
例えば深く斬りつけ重傷を負わせたように相手に思い込ませる、とかの」
「つ、つまり俺は幻覚を見せられて斬られたと思い込んでたってこと?」
「もしくは近藤本人と同じように実体を持たない刀に遊ばれたか。斬るものを斬り、斬らずと思ったものは斬らず。
どの道、近藤にいいようにあしらわれたようじゃな」
ふぉふぉ。いつもの調子でバルタン笑いのじーちゃん。