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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第2章 決戦! 近藤勇!!
「小次郎」
いつもと違うじーちゃんの声音に思考の中から呼び戻された。
「頼みがあるのじゃ」
「頼み?」
頷くじーちゃん。
「花楓を助けてくれ」
「花楓を?」
「そうじゃ。花楓はきっとまた近藤に挑むじゃろう。それが沙川の宿命じゃと知っておるからな」
じーちゃんは俺に向かって語りながらも、その目は他の何かを見ているような気がする。
花楓の姿なのか、それとも戦いに向かい、戻ることのなかった息子の姿なのか。
長い眉毛と深い皺に隠された目。俺にはうまく読み取れない。
「忍術ならば花楓の方が上じゃ。『裏』の宿命も知っておる。しかし剣の腕は小次郎の方が数段上じゃ。今日こんな話を聞かれしかも怪我まで負うておる小次郎にこんなことを頼むのは申し訳ないとは思っている。しかし儂はもう歳じゃ、動けん。じゃから、どうか」
絞り出すような声にじーちゃんの無念を感じる。
本来ならば世代的にはまだ花楓のお父さんが戦うはずだ。だが、もういない。そしてじーちゃんはもう戦うことが困難なほどの高齢だ。
戦うべき時が来たのに戦えない。そして息子の忘れ形見を戦わせなければならない。
俺には子供も孫ももちろんいないが、その悔しさは分かるような気がする。
じーちゃんの頭が下がる。俺に向かって下げられた。
「頼む。花楓を助けてやってくれ」
いつもと違うじーちゃんの声音に思考の中から呼び戻された。
「頼みがあるのじゃ」
「頼み?」
頷くじーちゃん。
「花楓を助けてくれ」
「花楓を?」
「そうじゃ。花楓はきっとまた近藤に挑むじゃろう。それが沙川の宿命じゃと知っておるからな」
じーちゃんは俺に向かって語りながらも、その目は他の何かを見ているような気がする。
花楓の姿なのか、それとも戦いに向かい、戻ることのなかった息子の姿なのか。
長い眉毛と深い皺に隠された目。俺にはうまく読み取れない。
「忍術ならば花楓の方が上じゃ。『裏』の宿命も知っておる。しかし剣の腕は小次郎の方が数段上じゃ。今日こんな話を聞かれしかも怪我まで負うておる小次郎にこんなことを頼むのは申し訳ないとは思っている。しかし儂はもう歳じゃ、動けん。じゃから、どうか」
絞り出すような声にじーちゃんの無念を感じる。
本来ならば世代的にはまだ花楓のお父さんが戦うはずだ。だが、もういない。そしてじーちゃんはもう戦うことが困難なほどの高齢だ。
戦うべき時が来たのに戦えない。そして息子の忘れ形見を戦わせなければならない。
俺には子供も孫ももちろんいないが、その悔しさは分かるような気がする。
じーちゃんの頭が下がる。俺に向かって下げられた。
「頼む。花楓を助けてやってくれ」