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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第3章 卑劣! 武田観柳斎!!
「何だとっ!?」
驚愕に見開かれる武田の目。
俺の刀は大石を斬り裂き、目の前の隊士達を闇に溶けさせていく。
花楓を押さえつけていた隊士がぱっと離れ刀に手を伸ばす。しかし抜ききる前に俺の刀が貫いた。
「ば、馬鹿な…」
腰の動きを止め、狼狽した武田が冷たい汗を流す。
「『力』もなしに…」
「俺のこの刀は─」
ぶんとひとつ振る。刀身についた血糊が振り払われ、夜空に消える。
「近藤の刀だ。それにお前達を斬りたいという俺の強い怒り」
近藤は言った。そこにいありたいという気持ちと、そこにあるという認識が存在を生む。
強く思えば斬れる。近藤はそう教えてくれた。それは事実だった。
ぐっと柄を握った指に力を籠める。じゅっと柄巻きから血が滲む。
おそらく近藤の刀だけでは斬れない。俺の腕だけでも斬れない。
俺を補ってくれたもの、それは─
『絆』
俺と花楓の『力』は失われたけど、お互いを想う気持ちは消えていない。『力』の繋がりは消えたとはいえ花楓の気持ちは俺に届いている。俺は花楓を強く想っている。
その想いが戦う力をくれる。闇を斬る剣となる。
「武田、覚悟っ!」
ひっ、と悲鳴を上げながら花楓を放り投げる。
しかし、遅い。
武田の脇腹を俺の─近藤の─刀が深く斬り裂いた。
驚愕に見開かれる武田の目。
俺の刀は大石を斬り裂き、目の前の隊士達を闇に溶けさせていく。
花楓を押さえつけていた隊士がぱっと離れ刀に手を伸ばす。しかし抜ききる前に俺の刀が貫いた。
「ば、馬鹿な…」
腰の動きを止め、狼狽した武田が冷たい汗を流す。
「『力』もなしに…」
「俺のこの刀は─」
ぶんとひとつ振る。刀身についた血糊が振り払われ、夜空に消える。
「近藤の刀だ。それにお前達を斬りたいという俺の強い怒り」
近藤は言った。そこにいありたいという気持ちと、そこにあるという認識が存在を生む。
強く思えば斬れる。近藤はそう教えてくれた。それは事実だった。
ぐっと柄を握った指に力を籠める。じゅっと柄巻きから血が滲む。
おそらく近藤の刀だけでは斬れない。俺の腕だけでも斬れない。
俺を補ってくれたもの、それは─
『絆』
俺と花楓の『力』は失われたけど、お互いを想う気持ちは消えていない。『力』の繋がりは消えたとはいえ花楓の気持ちは俺に届いている。俺は花楓を強く想っている。
その想いが戦う力をくれる。闇を斬る剣となる。
「武田、覚悟っ!」
ひっ、と悲鳴を上げながら花楓を放り投げる。
しかし、遅い。
武田の脇腹を俺の─近藤の─刀が深く斬り裂いた。